養育費未払いを強制執行により回収した事例をご紹介します
「養育費未払いを強制執行により回収した事例をご紹介します」
弁護士 喜 田 崇 之
【はじめに】
X(女性)さんは、Y氏(男性)と離婚し、Xさんが二人の子の親権者となりました。しかし、Y氏が審判により命じられていた毎月の養育費の支払いをしなくなったので、Y氏の給料債権を差し押さえた結果、未払い養育費を全額回収できました。
【事案の概要】
Xさんは、約4年間の結婚生活の後、Y氏と離婚しました。二人の子どもの親権はXさんと指定されましたが、離婚成立後、Y氏は一切養育費を支払いませんでした。
そこで、弁護士喜田が、Xさんの代理人に就任し、Y氏に対し、養育費の支払いを求める調停を申し立てました(実際には、慰謝料や財産分与等も要求しましたが、その点はここでは省略致します。)最終的に、2017年7月11日、家事事件手続法284条に基づく審判が下され、Y氏は、調停申立時からの未払分を含めて養育費の支払いを命ぜられることになりました。
しかし、弁護士喜田が、Y氏に養育費を支払うように何度求めても、Y氏は様々な理由を付けてこれに応じませんでした。そこで、我々は、Y氏の勤務先を第三債務者として、給料債権の差押えをしました。
養育費の強制執行の場合、未払い養育費が満たされるまで、毎月給料の半分を差し押さえることが可能になります。その後、給料債権の差押えをしてからほどなくして、Y氏は、過去の養育費の未払金額全額を払ってきました。
【最後に】
養育費は、親である以上必ず支払わなければならないものですが、現実には、養育費が未払いの状態になっている事例は非常に多く見られますし、支払ってもらうことをあきらめている方もいらっしゃいます。しかし、家庭裁判所での手続きや、強制執行の手続きを用いることで、養育費を現実に回収しているケースも多くあります。子どもが成人するまでの20年間(240カ月)を、毎月数万円の養育費を払ってもらうか、払ってもらえないかで、大きな違いが出てきます。
お困りの方はぜひ、一度ご相談下さい。