求人詐欺(ブラック求人)問題
2017-01-06
求人詐欺(ブラック求人)問題 弁護士 清水亮宏
「基本給30万円」「完全週休2日制」などの魅力的な条件の求人に惹かれて入社したものの…、入社してみると、基本給は20万円で、残り10万円は固定残業代として扱われていた。
正社員との求人を見て応募したが、入社してみるとアルバイトとして扱われていた。
このように、好条件の労働条件を示して労働者を獲得し、実際にはより悪条件で働かせるという採用手法は、「求人詐欺」「ブラック求人」などと呼ばれ、近年社会問題となっています。
実際に、2015年度に全国のハローワークの窓口やハローワーク求人ホットラインに寄せられた相談や苦情は1万件以上に上るそうです。
この問題は、応募した労働者本人が不利益を被るのはもちろんのこと、求人全体の信頼が損なわれることで採用活動・就職活動が停滞するなど、社会全体にも悪影響を及ぼしているといわれます。
この問題の背景には、入社してみるまで労働契約の内容がよくわからないという構造上の問題があるように思います。内定段階から、使用者に一定の労働条件を通知させることを求めていきたいと思います。
カテゴリー: 労働