共謀罪を廃止しよう
共謀罪を廃止しよう 弁護士杉島幸生
安倍内閣は、参議院法務委員会での採択を省いた「中間報告」という禁じ手を使って共謀罪を強行採決しました。そのあまりの強引さに支持率も急落しましたが当然のことです。
共謀罪は、277の罪について二人以上で実行を協議した、話し合った、そのこと自体を犯罪とするものです。「自分は犯罪について協議したり、話し合ったりなんてしないから大丈夫」と言う方も多いかと思います。
しかし、けしてそうではありません。これまでは「人を殺す」「物を盗む」などの具体的な犯罪行為がなければ、警察による捜査の対象とはなりませんでした。これだと自分は対象にはならないと自信をもつこともできるでしょう。
ところが共謀罪はそうではありません。「協議すること」、「話し合う」ことが「犯罪」なのですから、実際には、そんな協議や話し合いなんてしていなくても、警察が、「しているかもしれない」と考えれば、共謀罪の容疑があるとして捜査を開始することができるのです。権力にとって邪魔な動きをする市民団体に対して、「なにかよからぬことを協議しているかもしれない」「共謀罪の容疑がある」といちゃもんをつけて、呼び出し、取り調べ、周辺調査を開始して干渉するということが可能となるのです。私たちのプライバシーが丸裸になってから、警察から「よかったね。共謀罪の容疑ははれましたよ」といわれても奪われたプライバシーは元にはもどりません。警察に市民監視の絶大な権力を与えるの共謀罪の狙いです。国会秘密保護法、戦争法、共謀罪、9条改憲発言。その行き着く先は、管理社会、戦争国家かもしれかせん。
こうした流れを止めるためには、なんとしても安倍自公内閣を変えなくてはなりません。その力は、みなさんがもっている一票です。