インプラント手術の医療過誤訴訟で和解解決しました
「インプラント手術の医療過誤訴訟で和解解決しました」
弁護士 喜 田 崇 之
【はじめに】
インプラント手術の結果、しびれ等の神経症状が残ってしまったXさん(当時62歳女性)が、病院を相手として損害賠償請求訴訟を提起した件で、裁判上の和解解決を勝ち取りました。
【事案の概要】
原告Xさんは、平成22年2月、Y1病院で歯のインプラント手術を受けましたが、手術後、かみ合わせの不具合、痛み等が残りました。
Y1病院でその後の治療を続けたものの、症状はよくならず、Y1の病院の勧めで、平成23年5月、Y2病院で治療のための手術を受けることになりました。しかし、Y2病院での手術や、その後の治療を続けたものの、Xさんの症状はよくなりませんでした。
そこで、弁護士喜田がXさんの代理人に就任し、平成25年9月、Y1病院に対して損害賠償請求訴訟を提起しました。
【裁判の進行】
本件では、Y1病院側は、手術について法的な過失がない旨を主張しました。また、Y2病院での手術を受けたことにより、Y1病院での手術の過失とXさんの現在の症状の因果関係も問題になりました(要するに、Y2病院での手術の影響によって症状が悪化した趣旨の主張でした)。
私は、十分に検討を重ね、また信頼できる複数の歯科医師の意見も確認し、意見書も作成してもらい、Y1病院での手術に大きな問題があること、Y1病院での手術のミスによりXさんの症状の根幹部分が発生していることを主張・立証しました。
その結果、裁判の途中でY1側は、事実上過失を認め、和解を提案してきました。最終的に、Xさんが納得する誠意ある内容の和解が成立しました。
【最後に】
医療過誤においては、手術がうまくいかなかったらといって手術の過失を意味するわけではありません。医療過誤における過失や因果関係の主張・立証は、まさに専門家としての高度な判断が求められます。病院を訴えるということが必ずしも正しい判断とは限らないケースもありますが、ギリギリまで医療過誤と言えるかどうかの検討が必要です。
医療過誤の疑いをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談下さい。