交通事故により大きな手術痕が残った事例で慰謝料増額で和解成立
「交通事故により大きな手術痕が残った事例で慰謝料増額で和解成立」
弁護士 喜 田 崇 之
【はじめに】
Xさん(当時76歳、男性)が自転車で走行中、Y氏が運転する自転車と衝突して交通事故に遭い、皮膚が壊死し、植被手術等により右太もも等に大きな手術痕が残ったケースで、慰謝料等の損害賠償請求訴訟を提起したところ、和解解決を勝ち取りました。
【事案の概要】
Xさんは、2015年11月、自宅近くの道路を自転車で走行中、Y氏が勤務中に運転する自転車と交通事故に遭われました。
Xさんは、右太ももを怪我し、皮膚が壊死したため、お腹の皮膚から移植手術を受けなければなりませんでした。手術後も、右太ももには大きな手術痕が残りました。
Y氏側は、単純に入通院期間に応じた慰謝料の提案をしましたが、大きな手術痕が残ったことに対する慰謝料の支払いの提案はありませんでした。
そこで、弁護士喜田がXさんの代理人に就任し、2014年11月、Y氏及びY氏の勤務先の会社を相手(Y氏の勤務中の事故であったため。)に損害賠償請求訴訟を提起しました。
【裁判の進行】
我々は、Xさんの手術痕の大きさ等から、後遺障害等級14級5号「下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」に該当することを、医療記録等から主張・立証し、単に入通院を強いられたことに対する慰謝料だけでなく、このような後遺障害が残ったことに対する慰謝料等の請求を求めました。
そうしたところ、裁判所から、当該手術痕についても慰謝料として計算した上での和解の勧告がなされ、Xさん側の主張を十分に汲んだ内容の和解が成立しました。
【最後に】
最終的に、当初のY氏側が提案した示談案より大きな金額で和解解決をすることができました。やはり、適切な示談金額を見極めるには、専門家の意見はどうしても必要不可欠であると思います。
交通事故に遭われた方は、ぜひ、一度ご相談頂ければと思います。