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[家事]に関する記事

相続法改正【特別寄与料】

2019-07-16

相続法改正で、特別寄与料が認められるようになりましたので、ご紹介します。

改正法で、被相続人の相続人でない親族(特別寄与者)が、無償で療養看護などの労務を提供して被相続人の財産の維持増加に特別の寄与をした場合、相続の開始後、相続人に対し金銭(特別寄与料)を請求できるようになりました。ここでいう親族とは、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族をいいます。

ありうる例としたら、被相続人を子供の配偶者が看護した場合、被相続人に子供がいるけど看護しないので、被相続人の兄弟姉妹が看護した場合、被相続人を配偶者の前婚の子が看護した場合などは、新制度の対象となります。

ただ、特別の寄与の内容は、無償での労務提供に限られ、寄与分制度で認められる被相続人の事業に関する財産上の給付は対象にはなりません。加えて、この請求権は、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したときまたは相続開始の時から1年を経過したときは行使できなくなります。注意が必要です。

相続法改正【家裁の判断を経ないで預貯金払戻しを認める方策】

2019-02-14

相続法が2019年から変わります。

2018年7月6日に成立した相続法改正法が、2018年7月13日に公布されました。これにより、相続のルールが大幅に変わります。

① 2019年7月1日から家庭裁判所の判断を経ないで預貯金の払戻しを認める方策がスタートします。
これまで、被相続人が亡くなり、銀行や郵便局の金融機関が死亡の事実を知ると、被相続人名義の預貯金は凍結されてしまい、相続人が引き出せなくなってしまいます。葬儀費用の捻出に困ることもあります。
2019年7月1日からは、相続人は預貯金額の三分の一×法定相続分までは、単独で金融機関から引き出せるようになります。
ただし、引き出せる金額の上限は、各金融機関ごとに150万円です。また引き出した金額は、あとで遺産分割協議したときに、自分の相続分から差し引かれます。葬儀費用などの共同の費用に充当したときは遺産分割協議に備えて領収書等を残しておいたほうがいいです。

遺産分割では、相続法改正の内容を踏まえることが大切です。関西合同法律事務所にお気軽にご相談ください。

相続法改正【自筆証書遺言の方式緩和】

2018-12-05

相続法が2019年から変わります。

2018年7月6日に成立した相続法改正法が、2018年7月13日に公布されました。これにより、相続のルールが大幅に変わります。

① 2019年1月13日から自筆証書遺言の方式緩和がスタートします。これまで、自筆証書遺言はすべて自分で自書して作成する必要がありました。高齢者には大変な作業でした。
2019年1月13日以後は、自筆証書遺言に財産目録を添付する場合、目録部分はパソコンで作成しても、他人が代筆しても良いことになりました。預金通帳や不動産登記事項証明書を添付して、それを目録部分として使用する方法も可能となりました。ただし目録部分の各ページに署名押印することが必要ですので注意してください。

遺言を作成する場合、相続法改正の内容も踏まえることが大切です。関西合同法律事務所にお気軽にご相談ください。

 

相続分の譲渡が遺留分減殺請求の対象になるとした事例【判例紹介】

2018-10-29

平成30年10月19日「共同相続人間でされた無償による相続分の譲渡は,譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き,上記譲渡をした者の相続において,民法903条1項に規定する「贈与」に当たる」 という最高裁判例が出ました。

判決全文は、裁判所HPで公開されています。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/060/088060_hanrei.pdf

【事案の概要】

B(父)がH20年12月に死亡し、相続開始した。そのときに、A(母)とD(養子でYの妻)は、Bの相続分をYに譲渡した。A(母)はYに全財産の相続をさせる遺言作成していた。A(母)がH26年7月に死亡し、相続が開始したが、Aには財産がほとんどなかった。そこで、XはYに対し、Aの相続に関して遺留分減殺請求権を行使して、裁判となった。

本件の特徴は、B(父)が亡くなる以前に、Yの妻DをB(父)A(母)の養子として相続人を増やし、Bが亡くなったら、A(母)とD(Yの妻)が相続分をYに無償譲渡し、Aはさらに全財産をYが相続するよう遺言をしていた。BとAは、生前から財産をできるだけYに集中して承継させるよう工夫していたと思われる。

【判例の要旨】共同相続人間でなされた相続分の無償譲渡は、原則として贈与にあたる。

そうすると、遺留分減殺請求の対象となることになります。

 

相続法改正が公布されました2018.7.13

2018-07-13

2018年7月6日に成立した 相続法改正法(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律など )が、2018年7月13日に公布されました。

2019年1月13日から自筆証書遺言の方式緩和が施行されます。

2019年7月12日(公布の日から1年以内)までに、下記以外の改正が施行されます。

2020年7月12日までの政令で定める日に、配偶者居住権及び自筆証書遺言保管制度は、施行されます。

☆改正法の骨子
1 配偶者の居住権を保護するための方策
(1) 配偶者短期居住権の新設
(2) 配偶者居住権の新設

2 遺産分割等に関する見直し
(1) 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規定)
(2) 仮払い制度等の創設・要件明確化
(3) 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲

3 遺言制度に関する見直し
(1) 自筆証書遺言の方式緩和
(2) 遺言執行者の権限の明確化
(3) 公的機関(法務局)における自筆証書遺言の保管制度の創設

4 遺留分制度に関する見直し
5 相続の効力等に関する見直し
6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

法定相続情報証明制度

2018-03-10

「法定相続証明制度」は、登記所に、相続人が作成した法定相続情報一覧図と相続人が収集した被相続人の生まれてから死亡するまでの戸除籍謄本・被相続人の最後の住所を証する書面・相続人の戸籍謄本など一式を提出したら、登記所で内容確認したうえで、「法務局認証文付きの法定相続情報一覧図の写し」を無料で交付しますという制度です。平成29年5月29日から始まっています。

相続が生じた場合、相続人としては、① 不動産登記の変更、② 預金の解約・払戻し、③ 生命保険金の受取などを行う必要があります。現在は、①不動産登記の変更は登記所に戸籍謄本一式を提出し、②預金の解約・払戻は銀行に戸籍謄本一式を提出し、③生命保険金の受取は生命保険会社に戸籍謄本を提出し、何度も戸籍謄本一式を収集しては提出するという繰り返しになります。

何度も戸籍謄本一式を収集する手間や時間を解消して、「法務局認証文付きの法定相続情報一覧図の写し」で代用しようというのが、「法定相続証明制度」です。

 

法務省の不動産登記規則の一部を改正する省令のパブリックコメントにおける資料より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

低すぎる子どもの養育費

2018-01-17

夫婦が離婚するときの未成年の子どもについては、夫か妻かどちらか一方が子どもの親権者となり監護します。
他方の配偶者は子どもの養育費を支払います。
養育費の額が夫婦間で争いになったとき、養育費の額はどういう風に算定して決定するのでしょうか。

現在は、東京・大阪養育費等研究会の「簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案-」(判例タイムズ1111号285頁)で提案された「簡易算定方式」とこれに基づく「簡易算定表」によっています。
この養育費算定表は裁判所サイトで掲載されています。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

縦軸を義務者の年収、横軸を権利者の収入として交差するところが養育費になるとされており、両者の年収が分かれば養育費の額を算定することができ、現在の家庭裁判所における実務はほぼこの算定表により運用されています。平等に簡易迅速に養育費の額が算定できるという意義はありますが、個別事情について反映しづらく、額も低いです。

そこで、2016年11月15日付けで、日本弁護士連合会は新しい算定方式を提言しました。
従来の算定方法よりも、請求側の事情をより細分化して、額を1.5倍程度に増額するというものです。
日弁連「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2016/161115_3.html

ただ、養育費については額だけでなく、日本における養育費の支払い実態は、離婚後の母子家庭で、養育費を支払ってもらっている割合は、約20%と言われおり、支払いの実効性という問題もあります。

養育費未払いを強制執行により回収した事例をご紹介します

2017-07-11

「養育費未払いを強制執行により回収した事例をご紹介します」

弁護士 喜 田  崇 之

【はじめに】

X(女性)さんは、Y氏(男性)と離婚し、Xさんが二人の子の親権者となりました。しかし、Y氏が審判により命じられていた毎月の養育費の支払いをしなくなったので、Y氏の給料債権を差し押さえた結果、未払い養育費を全額回収できました。

【事案の概要】

Xさんは、約4年間の結婚生活の後、Y氏と離婚しました。二人の子どもの親権はXさんと指定されましたが、離婚成立後、Y氏は一切養育費を支払いませんでした。

そこで、弁護士喜田が、Xさんの代理人に就任し、Y氏に対し、養育費の支払いを求める調停を申し立てました(実際には、慰謝料や財産分与等も要求しましたが、その点はここでは省略致します。)最終的に、2017年7月11日、家事事件手続法284条に基づく審判が下され、Y氏は、調停申立時からの未払分を含めて養育費の支払いを命ぜられることになりました。

しかし、弁護士喜田が、Y氏に養育費を支払うように何度求めても、Y氏は様々な理由を付けてこれに応じませんでした。そこで、我々は、Y氏の勤務先を第三債務者として、給料債権の差押えをしました。

養育費の強制執行の場合、未払い養育費が満たされるまで、毎月給料の半分を差し押さえることが可能になります。その後、給料債権の差押えをしてからほどなくして、Y氏は、過去の養育費の未払金額全額を払ってきました。

【最後に】

養育費は、親である以上必ず支払わなければならないものですが、現実には、養育費が未払いの状態になっている事例は非常に多く見られますし、支払ってもらうことをあきらめている方もいらっしゃいます。しかし、家庭裁判所での手続きや、強制執行の手続きを用いることで、養育費を現実に回収しているケースも多くあります。子どもが成人するまでの20年間(240カ月)を、毎月数万円の養育費を払ってもらうか、払ってもらえないかで、大きな違いが出てきます。

お困りの方はぜひ、一度ご相談下さい。

姻族関係終了届

2017-03-08

最近、「死後離婚」ということばがよく取り上げられます
婚姻関係は、配偶者の一方の死亡で、当然に終了しますから、「離婚」は必要ないですね。
ここで「離別」というのは、「姻族」関係です。「姻族」とは、死亡した配偶者の両親、兄弟姉妹、甥姪、おじおばです。
配偶者の死後に、「配偶者の姻族」の関係に「離別する」のが「死後離婚」です

手続きとしては、市町村役場で用紙をもらって、「姻族関係終了届」を市町村役場に提出するだけです。
姻族の同意は不要ですし、届出したことが姻族に通知されることもありません。
相続関係に影響はありませんし、遺族年金等にも影響はありません。

 

「相続放棄・限定承認の申述の有無等の照会」制度

2017-02-28

「相続放棄・限定承認の申述の有無等の照会」制度

大阪家庭裁判所のご案内 http://www.courts.go.jp/osaka/vcms_lf/f0087-3.pdf

家庭裁判所に対し、被相続人の相続放棄等の状況について照会する制度があります。

相続が発生すると、相続人は自分に相続が発生したことを知った日から3か月以内に相続放棄するかどうか、限定承認するかどうか判断して、放棄等をするのであれば手続きを取らなければなりません。期限内に何もしなければ相続を単純承認したということになります。

後順位の相続人としては、先順位の相続人が放棄したかによって自分が相続人となったかどうか確認する必要があります。また被相続人の債権者は相続人が放棄(限定承認)したかどうかによって請求が変わってきますので,相続放棄等をしたかどうか確認する必要があります。

そのためには、照会制度をつかうとよいでしょう。

 

 

 

 

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