再転相続の相続放棄(判例紹介)
2019-08-25
再転相続の相続放棄について、最高裁判所が初判例を示しました。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/855/088855_hanrei.pdf
事例は、兄Aが平成24年6月30日に死亡し、Aの妻子が相続放棄し、弟Bが相続人になったが、兄Aの相続について放棄も承認もしないうちに、10月19日に死亡した。Bの相続人は、妻子Cである。
このように、相続人(B)が承認または放棄をしないうちに死亡し、さらにBの妻子であるCが相続人となった場合(再転相続)に、Aの相続について熟慮期間の起算点はいつかという問題です。
最高裁の判示
民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」とは,相続の承認又は放棄をしないで死亡した者の相続人が,当該死亡した者からの相続により,当該死亡した者が承認又は放棄をしなかった相続における相続人としての地位を,自己が承継した事実を知った時をいうものと解すべきである。
Cは,平成27年11月11日の債務名義,承継執行文の謄本の送達により,BからAの相続人としての地位を自己が承継した事実を知ったというのであるから,Aからの相続に係るCの熟慮期間は,送達の時から起算される。そうすると,平成28年2月5日に申述がされた相続放棄は,熟慮期間内にされたものとして有効である。
カテゴリー: 家事