『日本国憲法・出前講座』
『日本国憲法・出前講座』 弁護士 中平 史
関西合同事務所では、昨年の春から、『日本国憲法・出前講座』の講師に招いていただく取り組みを行っています。これまでに、61か所、おおよそのべ2350名ものみなさまに私たちの憲法のお話を聴いていただきました。
初めの頃は、「憲法」も「立憲主義」もまだまだ敷居が高そうでしたが、今では多くの皆さまが身近に感じて下さっていること実感しています。
先日は、阿倍野ハルカスで催された「フェアトレードディ」のイベントで「あすわす(明日の自由を守る若手弁護士の会)」の紙芝居の上演をさせていただきました。ハルカス8階・「縁活」広場~オープンスペースでのおひろめでとても緊張しました。が、こんな風にお話しさせていただけるのも、たくさんの皆さまが「憲法」に強い関心を持ってくれているからだと思いました。
憲法は、他の法律~民法、刑法など~は国家が私たち国民を縛る決まりごとであるに対し、私たち国民が(法律を作る)国家を縛る、いちばん偉い決まりごとです。
では、どうして憲法は、そんなに偉そうにしていることが出来るのでしょうか?
それは、憲法が、私たち個人にとっていちばんたいせつなこと~みんな自由で、平等で、他の誰からも支配されてはならない!ということを定めている決まりごとだからです。
いちばん偉い決まりごとだから、他の法律のように簡単に変えることが出来ない仕組みになっています。だって法律と同じように簡単に変えることが出来たら法律を縛ることができませんものね。
いちばん大切なことを定めているから、年を取ることはありません。新しい人権が登場しても、一般条項というのがあって、その人権が私たちにとって大切なことだったらちゃんと導き出してくることが出来るようになっています。
そして、日本国憲法が、世界中でいちばんすごいのは、戦争を放棄して、平和的生存権を保障していることです。だって、戦争が起こって、誰かが殺されたり、誰かを殺したりしなければならなくなってしまったら、みんな自由で、平等で、誰からも支配されてはならないという~いちばん大切なことを守ることが出来なくなってしまいます。
私たちは、こんな素晴らしい憲法を「過去幾多の試練に堪(た)」え努力して来てくれた過去の人類からプレゼントしてもらいました。今度は、私たちが、将来のみんなに手渡して行かなければなりません(日本国憲法97条)。
この夏、もう一度、日本国憲法を学んでみませんか。
講師のご用命は、当事務所まで。